拒絶理由通知が届いて、弁理士に特許にするのは難しい、と言われたら
1.弁理士によって、特許にする力は全然違う
特許出願をした後、特許庁での審査の結果、拒絶理由通知や拒絶査定が届くことがあります。この場合に、担当の弁理士に「この出願は、特許にすることはできない」と言われたら、どうすればよいでしょうか。
たとえ、担当の弁理士が難しいと判断したとしても、すぐに諦めるのは非常にもったいないです。実は、弁理士という資格をもっていても、その実力は千差万別。誰が担当しても特許にすることが難しい案件もあれば、誰が担当しても特許になる案件もありますが、中には、弁理士の腕しだいで特許になるかならないかが決まる案件もあります。
担当の弁理士が「この出願は、特許にすることはできない」と言ったとしても、その弁理士に、特許にできる実力がないだけで、別の実力のある弁理士であれば、特許にすることができる場合があります。
2.弁理士を変更することを検討する
現在の弁理士だと、特許にすることが難しいと判断した場合は、他の弁理士に依頼することを検討します。弁理士を探す方法としては、知人などに紹介を依頼する、ウェブサイトで調べる等の方法があります。
まずは、その発明の技術分野を専門にしている人を複数人ピックアップして、会って話を聞いてみることをお勧めいたします。その際に、現在の担当弁理士は、特許を取得することは難しいと判断しているが、新しい担当候補の弁理士に、本当に難しいのかを確認してみてください。
現在の担当弁理士と同じように特許にするのは難しいと判断されることもあるかもしれませんが、弁理士によっては、厳しいながらも可能性はある、との見解を示される方もいるはずです。話をしてみて、その方が信頼に足る方であれば、弁理士を変更して任せてみることをご検討ください。
なお、弁理士を選ぶ際には、弁理士を選ぶときに気をつけるべきポイントについても、ご確認ください。
3.弁理士に中途での受任を依頼する
変更する弁理士が決まった場合は、もともと依頼していた弁理士にその旨を伝え、了解を得ましょう。弁理士を変更することで、多少嫌な顔をされるかもしれませんが、トラブルになるようなことは少ないでしょう。
さて、ここからが重要です。
新しく担当になってもらう弁理士に、どのような範囲で権利を取得したいかを伝えましょう。そのうえで、拒絶理由通知への対応策について検討を進めてもらいます。
提案された対応策が、自社が欲しい権利をカバーするものであるか、反論の内容が論理の通ったものであるかの確認を行います。問題がなければ、対応策に沿って、意見書と手続補正書を作成するように、依頼をします(拒絶査定の場合は、審判請求書と手続補正書)。完成した意見書、手続補正書を確認し、問題がなければ、特許庁へ提出します。
なお、新しい弁理士が担当したとしても、1回で拒絶理由をクリアーして特許にすることができない場合もあります。再度、拒絶理由通知や拒絶査定が届くことがあります。この場合でも、すぐに諦めるのではなく、新しい担当弁理士に、特許が認められる可能性が高くなったのかどうかを問い合わせてみてください。1回の対応でクリアーできない場合でも、一歩一歩、前に進んでいけば、特許に近づいていきます。
最後に、とっておきの解決方法があります。
特許事務所の担当弁理士に「特許にするのは難しい」と言われたら、是非、弊所にご相談ください。弊所であれば、特許にするための何らかの糸口を見つけることができると思います。
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