MENU

特許の知識

5分でわかる特許明細書を読むコツ

comprehend

5分でわかる特許明細書を読むコツ

特許を出願するためには、明細書という発明の内容を説明した書類を作成し、特許庁へ提出する必要があります。

 

仕事柄、毎日、何件もの明細書を読みます。軽く目を通したものから、熟読したものまで、全部を含めると、今まで数千件の明細書は読んでいるでしょう。中には本当に文章がわかりづらくて、内容を理解するのに苦労するような明細書もあります。明細書に慣れていない方であれば、なおさら抵抗があるでしょう。

 

そこで、ここでは、明細書の読み方について、お伝えしたいと思います。

 

明細書を読むとき、どこから読み始めますか?

公開特許公報や特許公報だと特許請求の範囲が前に来ますので、特許請求の範囲から読み始めるという方もいらっしゃるかもしれません。

 

ただ、特許請求の範囲は、権利範囲が広くなるように抽象化されていて、読みにくい記載となっていることも多いので、特許請求の範囲から読み進めることは、あまりお勧めしません。(上級者になると、特許請求の範囲から読み進める方もいらっしゃいます)

お勧めは、【背景技術】→【発明が解決しようとする課題】→【課題を解決するための手段】→【発明の効果】の順に、明細書を読んでいくことです。

 

【背景技術】の欄は、発明の属する技術分野において、発明が完成に至るまでの背景として、どのような技術が存在しているのかを記載するものです。

 

【発明が解決しようとする課題】の欄は、従来の技術で解決されていなかった課題であって、出願をしようとしている発明が、解決しようとしている課題を記載するものです。

 

【課題を解決するための手段】の欄は、課題を解決するための具体的な手段を記載するものです。特許請求の範囲と同じような記載となっていることが多いです。

 

【発明の効果】の欄は、課題を解決するための手段をとることで、どのような優れた効果が得られるのかを記載するものです。発明の効果は、課題の裏返しであることが多いです。

つまり、【背景技術】では解決されていない課題があり、その課題を記載するのが、【発明が解決しようとする課題】の欄です。そして、【発明が解決しようとする課題】を解決するための手段を記載するのが、【課題を解決するための手段】であり、【課題を解決するための手段】を実行することで得られる効果を記載したのが、【発明の効果】の欄となります。

 

このように、これらの4つの欄は、一連のストーリーになっており、明細書の中では、比較的、読みやすい部分です。そして、発明が、どういう課題を、どのような工夫で解決したものなのかを伝えてくれる部分でもあります。

これらの欄を読んでいくと、その発明の特徴的な部分が一体何であるか? ということを読み取ることができます(中には、できない明細書もあるにはあるのですが)。場合によっては、その特徴的な部分があることで、なぜ有利な効果が発生するのかまでも、読み取ることができます。

 

そして、この工夫した点が、請求項の構成要素の1つとなっていれば、もう、その発明の8割を理解したも同然です。

 

ですから、発明の内容が理解しにくいということであれば、まずは、【背景技術】~【発明の効果】までを繰り返し、何度も読んでみてください。発明の内容について、より詳しく記載された【発明を実施するための形態】や【実施例】を読むのは、それからでも遅くはありません。

お問い合わせ

ソフトウェア特許・ビジネスモデル特許の専門家がサポートします。
このようなことがありましたら、お気軽にご相談ください。

03-5809-2727
受付時間:平日9:00〜18:00

ご相談・お問い合わせ

PAGETOP