こんにちは。田村です。
暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。
事務所では、エアコンのお世話になっていますが、
温度を下げすぎると、体によくありません。
うちの事務所では、小型の扇風機を活用して、
空気が対流するようにしています。
そうするだけで、エアコンの温度をそれほど
下げなくても、快適な空間が作れます。
さて、本題です。
特許請求の範囲や明細書を補正するとき、
どこまでの補正が認められて、
どこまでの補正が認められないか、
迷うことはないでしょうか。
補正の認められる範囲ですが、
「出願時の明細書等に記載した事項」であれば、
補正が認められることになっています。
特許庁の審査基準によると、
「出願時の明細書等に記載した事項」とは
「出願時の明細書等に明示的に記載された事項」
だけでなく、
「出願時の明細書等の記載から自明な事項」
も含まれます。
この「自明な事項」をどう解釈するのか、
非常に難しい問題です。
特許庁の審査基準によると、
「補正された事項が、「当初明細書等の記載から自明な事項」
といえるためには、当初明細書等に記載がなくても、
これに接した当業者であれば、出願時の技術常識に照らして、
その意味であることが明らかであって、その事項がそこに
記載されているのと同然であると理解する事項でなければ
ならない」
とあります。
つまりは、当業者であれば、
誰が見ても明細書に記載されているも同然である、
と言えるような事項でないかぎりは、補正は認められない
ということです。
明細書に明示的に記載されていない事項で
補正したとしても、
実際には、それほど簡単には認められません。
明細書に明示的に記載されていない事項を
追加する補正が可能な場合もありますが、
できれば、
明細書に明示的に記載されている事項で
補正をする方が良いことはいうまでもありません。
明細書を作成するにあたっても、
将来的に補正をすることができるかを考慮しながら、
明細書を記載していくことが好ましい、といえます。
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