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-意見書を書くときの心構え-  第94号

2013.08.28 カテゴリー/ Column 

こんにちは。田村です。


先日、タクシーを利用したときのことです。
料金の支払いの際に、運転手さんが計算ミスをしていて、
お釣りを多く渡してくれたのです。


計算すると、600円ほど、多くお釣りを受け取っています。
運転手さんは、まったく気づく気配はありません。


「ありがとうございます!忘れ物がないようにしてください」
とニコニコしています。



そして、私の中で、天使と悪魔が喧嘩をしはじめました。

「運転手さんが間違って渡したんだから、
 もらっておけば良いのに」

「それはちがうぞ!、きちんと返すべきだ!」


そんな小競り合いが、数秒間、続きましたが、
最終的には、運転手さんにお釣りが間違っていることを告げ、
多く受け取った額を返却しました。



ここで600円を受け取るよりも、正直に返した方が、
自分も健全な気持ちが維持できるでしょうし、


そうした健全な心持ちで、日常を過ごすことで、
600円以上の幸運がやってくるような気がします。




さて、本題です。


特許事務所を開業する前に務めていた事務所の
所長の教えで、今も大切にしている教えがあります。


「意見書は自分が特許を取れると思えるものでなければ、
 とおらない」

というものです。


拒絶理由通知への対応として意見書を書きますが、

書いた本人が「審査官の判断を覆せる」と思えるもの
でなければ、特許が認められるはずがない、

そのとおりだと思います。


自信の有る、無しが、文書にも現れるんでしょうね。



別に意見書でなくても、その他のことでも同じで、
自分でできると思えることでなければ、
やはり、うまくいかなったりするものです。


この教えを踏まえ、

この内容であれば、審査官も特許を認めざるを得ないだろう、
ぐうの音も寝ないだろう、

と自分自身が思えるところまで、意見書の内容を練ることを
意識しています。


そうすると、引用文献の内容が近くて、特許にするのが
難しいと思える案件であっても、意外と特許になったりするものです。


もし、意見書を書いた後、一度、内容を読んでみて、
拒絶理由が覆せるかどうか自信がない、
ということであれば、自信が生まれるまで粘ってみてください。


良い案が生まれるかもしれませんよ。



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