特許を通して貴社の事業発展をサポートします

-商品開発と特許- 第182号

2018.12.24 カテゴリー/ Column 

 こんにちは。田村良介です。



 あるベンチャー企業の方から、ご相談がありました。

 『以前からご相談していた新商品の件ですが、
  商品開発の方向性を変更して、よりシンプルなものに
  しようと考えています。

  よりシンプルな設計に変更すると、特許もとれなくなるでしょうか?』
 

 たしかに、この方のおっしゃられるように、
 よりシンプルな設計にすることで、

 特許が認められ得る特徴的なポイントも減り、
 その商品について特許を取得するのも難しくなる可能性があります。


 私からは、

 『たしかに、特許を取得するのは難しくなるかもしれません。』
 とお答えしました。


 そして、

 『ただ、特許を取得することありきで、商品開発をするのではなく、
  その商品を使用するお客様にとって便利で、買いたくなるものを
  設計してください。』

 『そのうえで、最終的に開発されたものをもとに、
  どのように出願をすれば、
  特許にすることができるかを検討させていただきますので。』
 
 ともお答えしました。


 競合他社から類似の商品を販売されたくない、
 という考えが先行しすぎると、

 特許を取得できるかどうかで、
 商品開発の方向性が左右されてしまうことがあります。


 ですが、より良い商品を設計、開発し、
 そこに何か技術的な特徴があれば特許を取得する、

 というのが、本来あるべき形だと思っています。



 よりシンプルな設計の商品だったとしても、
 従来にないもので、その商品を使用するお客様にとって
 便利なものを開発したのであれば、

 シンプルな設計の中にも、
 どこかに技術的な工夫が含まれているはず。

 そこで、特許を取得できる可能性もあります。



 新商品を開発する目的は、特許を取得することではありません。

 よりお客様に喜んでいただける商品を開発して、
 収益をあげることです。


 ですから、特許を取得することありきで、
 商品開発をするのではなく、
 
 よりよい商品を開発したうえで、

 どうすれば、他社に模倣されないような特許を
 取得できるのかを、頭をひねって考える、

 という進め方が、あるべき進め方であると考えています。

————————————————————————————–
■当メールマガジンについて

※当メールマガジンは、私個人の特許に対する考え方や
 ノウハウをお伝えするものであり、ご紹介する内容の
 すべてが絶対的に正しいとは、考えておりません。

 予めご了承いただいたうえで、お読みください。

■メールマガジン「役に立つ特許実務者マニュアル」は
 著作権により保護されています。

————————————————————————————–

[`evernote` not found]

↑トップへ

Top