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-特許になればなんでも良い?- 第146号

2017.09.20 カテゴリー/ Column 

こんにちは。田村良介です。


この特許の業界で仕事をするようになって、
もう15年が経ちます。

以前、勤めていた特許事務所にいたころ、

「特許になれば、なんでも良いんだよ」

と、大先輩の弁理士から言われたことがありました。


「えっ?」

この一言に、すごく違和感を感じ、
15年経った今でも、はっきりと覚えています。


このことがきっかけで、

「企業が特許活動をする目的は何だろう?」

という問いを持つようになりました。


特許法では、
『産業の発達に寄与することが目的である』、
と規定されていますが、

それは、国家にとっての目的であって、
企業にとっての目的ではありません。


特許などを含む知的財産に関する活動は、
企業活動として行うものですから、

事業に貢献するものであるはず。



ところで、

ハーバード大学のマイケル・ポーター教授は、

業界において有利なポジションを確保するための
3つの競争戦略を提唱しています。

 ・コスト・リーダーシップ戦略
 ・差別化戦略
 ・集中戦略


このうちの差別化戦略は、簡単に言うと、

商品・サービスの機能などで、
競合他社と差を設けることで、
他社との競争を有利に進めよう、

というものです。


上の3つの競争戦略のうち、
差別化戦略は、特許と縁が深いもので、

特許があれば、他社と差別化された状態を
維持することができます。


自社製品を他社製品と差別化をしても、

特許がなければ、すぐに同じような製品が
他社からも販売されることになります。


何が言いたいかというと、

自社の競争優位性を確保し、維持することが、
特許活動の目的なのではないか、

ということ。


「何を今さら当たり前のことを。。。」

と思われるかもしれませんが。


この仕事をしていると、

ついつい特許を取得することに意識がいき、
目的化してしまいがちになりますので、

自戒の意味も込めて、書かせていただきました。




◆今日のポイント◆
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 ☆特許活動の主な目的は、
  競争優位性を確保し、維持すること。


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