こんにちは。田村良介です。
この特許の業界で仕事をするようになって、
もう15年が経ちます。
以前、勤めていた特許事務所にいたころ、
「特許になれば、なんでも良いんだよ」
と、大先輩の弁理士から言われたことがありました。
「えっ?」
この一言に、すごく違和感を感じ、
15年経った今でも、はっきりと覚えています。
このことがきっかけで、
「企業が特許活動をする目的は何だろう?」
という問いを持つようになりました。
特許法では、
『産業の発達に寄与することが目的である』、
と規定されていますが、
それは、国家にとっての目的であって、
企業にとっての目的ではありません。
特許などを含む知的財産に関する活動は、
企業活動として行うものですから、
事業に貢献するものであるはず。
ところで、
ハーバード大学のマイケル・ポーター教授は、
業界において有利なポジションを確保するための
3つの競争戦略を提唱しています。
・コスト・リーダーシップ戦略
・差別化戦略
・集中戦略
このうちの差別化戦略は、簡単に言うと、
商品・サービスの機能などで、
競合他社と差を設けることで、
他社との競争を有利に進めよう、
というものです。
上の3つの競争戦略のうち、
差別化戦略は、特許と縁が深いもので、
特許があれば、他社と差別化された状態を
維持することができます。
自社製品を他社製品と差別化をしても、
特許がなければ、すぐに同じような製品が
他社からも販売されることになります。
何が言いたいかというと、
自社の競争優位性を確保し、維持することが、
特許活動の目的なのではないか、
ということ。
「何を今さら当たり前のことを。。。」
と思われるかもしれませんが。
この仕事をしていると、
ついつい特許を取得することに意識がいき、
目的化してしまいがちになりますので、
自戒の意味も込めて、書かせていただきました。
|◆今日のポイント◆
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☆特許活動の主な目的は、
競争優位性を確保し、維持すること。
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