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-請求項をどのように補正するかの検討方法- 第144号

2017.08.31 カテゴリー/ Column 

こんにちは。田村良介です。


司馬遼太郎さんの小説「関ケ原」を読んでいます。

豊臣秀吉の晩年から関ケ原の戦いまでを、
石田三成と徳川家康を中心に描いた作品です。


豊臣秀吉の没後、石田三成が加藤清正、福島正則などの
七人の武将から襲撃を受けるという事件が起こります。

石田三成は、徳川家康のもとへ逃げ込みますが、
七将は、徳川家康に石田三成の身柄引き渡しを要求します。

徳川家康は、七将に対して、声を震わせながら、

秀頼様のお為によいかを考えたすえの行動か?
と問いただし、

七将を追い返します。


徳川家康は、秀頼公に忠烈であると見せながら、

実は、あえて石田三成を生かすことで、
豊臣家臣の間で大乱を起こし、

そのすきに、天下を我がものとすることを目的としています。


「関ケ原」すごく、おもしろいです。
今、公開中の映画「関ケ原」も観に行きたいです。



さて、本題です。

新規性や進歩性を有しないとの拒絶理由が
通知された場合、

請求項を補正しなければ、
特許が認められそうにもないことがあります。


この場合、どのように請求項を補正するのかを
検討するわけですが、

引用文献の内容が近い場合などは特に、

どのように補正をすればよいのか、
すぐには分からないことがあります。


その場合の1つの方法として、

「本願の実施例」と、「引用文献の実施例」を比べる、
という方法があります。


本願の明細書全体と、引用文献の内容全体とを比べても、
その違いはすぐに見つかりません。


ですが、

本願と引用文献の実施例どうしを比べると、
その違いを見つけ出すのは、簡単です。


次に、見つけ出した違いの中から、

発明の効果に大きな影響を与えそうな、
発明としての本質的な違いを見つけ出します。


そのような違いを見つけることができれば、
その違いをもとに請求項を補正すればいいわけです。



この方法であれば、補正すべきポイントも、
早く見つけることができます。


これをするかしないかだけで、
検討時間は大幅に変わってきます。


また、実施例は、発明の代表的な実施態様を
あらわすものですから、

実施例の中から補正のポイントを見つけ出すことで、

その発明品の中でも重要となるポイントで、
請求項を補正することが可能となります。




◆今日のポイント◆
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 ☆「本願の実施例」と「引用文献の実施例」を比べることで、
  
  請求項を補正すべきポイントが見つかりやすくなる。


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