特許を通して貴社の事業発展をサポートします

-後出しじゃんけんを見破る-  第110号

2014.10.28 カテゴリー/ Column 

こんにちは。田村です。


先日、インターネットのニュースで、
「勝率100%のじゃんけんロボット」が開発されたとの
ニュースが掲載されていました。


東京大学の情報理工学系研究科で開発されたもので、
ロボットは指で、グー、チョキ、パーをだすそうです。


なぜ、100%でじゃんけんに勝てるかというと、
ヒトの手の画像を1000分の1秒ごとに認識し、
相手が何を出すのかを、瞬時に判別しているようです。


ロボットは、グー、チョキ、パーのどれかのうち、
相手に勝てるものを選択して、ヒトが手を出した
1ミリ秒後に、手をだすそうです。


後出しだと気付かないほどの超高速で、
後出しじゃんけんをするということです。


いや~、おもしろいですね。




それでは、本題です。


特許出願の後、審査が開始されると、
特許庁から、発明に進歩性がないとして拒絶理由通知が
届くことがあります。


拒絶理由通知の内容を読んでみると、複数の引用文献を
組み合わせて進歩性がない、とのこと。


どう対応するべきか、悩むわけですが、
こんなときに、非常に便利な方法があります。


それは、発明の内容を全く知らなかったと仮定して、

拒絶理由通知で引用された文献を組み合わせて、
発明をすることができるだろうか?

と考えます。


すると、

発明の内容を全く知らない人であれば、

複数の引用文献を組み合わせても、その発明と同じような
ものを発明することは、難しいのでは?

と気づくことがあります。


審査官は、発明の内容を知っているから、簡単に、
進歩性がないと言えるわけで、

実際には、そんな簡単に発明できるものではありません。


つまり、審査官は「後出しじゃんけん」しているので、
それを見破れば、特許になる、ということです。

じゃんけんロボットの後出しを見破ることは、至難の業ですが、
審査官の後出しであれば、もう少しハードルが低くなります。



あとは、

なぜ、複数の文献を組み合わせても、その発明と同じような
ものを発明することが難しいのか、その理由を考えます。


この理由が反論の切り口になります。


是非、お試しください。



———————————————————-


メールマガジン「役に立つ特許実務者マニュアル」は
著作権により保護されています。

また、本メールマガジンは、私個人の特許に対する考え方や
ノウハウをお伝えするものであり、ご紹介する内容のすべてが
絶対的に正しいとは、考えておりません。

その点について、予めご了承いただいたうえで、お読みください。

[`evernote` not found]

↑トップへ

Top