こんにちは。田村です。
先週末の雪はすごかったですね。
私は、ほとんど自宅から出ることもなく、
ゆっくりすごしました。
さて、仕事をしていて思うことがあります。
「木を見て森を見ず」という諺がありますが、
仕事においても、木を見て森を見ずになることは、
あまり好ましくありません。
本来の目的からそれたり、全体の統一感が失われた
仕事になります。
とはいっても「森を見て木を見ず」となるのも考えものです。
理想的なのは「木も見て森も見る」。
その仕事の目的に沿った統一感や一貫性がありつつ、
細部に目をやっても、
その統一感や一貫性に沿った緻密さ、細やかさがある、
そういう仕事が理想的ではないかと思います。
まだまだ十分ではありませんが、
そういう仕事を目指していきたいですね。
本題です。
今日は、説得力のある文章についてです。
特許の仕事では、説得力のある文章を書くことが
求められます。
例えば、拒絶理由通知に対する意見書では、
拒絶理由が存在しないことを、説得力のある文章で、
審査官に納得してもらう必要があります。
当たり前のことかもしれませんが、
文章に説得力を持たせるには、
説得したい事柄(主張)に対する「理由」が
明確に書かれていることが必須です。
進歩性があることを主張する際に、
「この発明は、引用文献には記載されておらず、
当業者が容易に想到し得ないものです」
と主張するだけでは、当業者が容易に想到し得ない
理由が書かれていませんから、説得力は生まれてきません。
説得力を持たせるには、当業者が容易に想到し得ない
理由、例えば、
・引用文献の技術分野は、本願発明の技術分野と、
全く異なるものである。
・本願発明が引用文献から容易に想到できるとする
審査官の論理づけに誤りがある。
・本願発明には、引用文献の記載からは予測できない
極めて優れた効果ある。
など、こういった事項を丁寧に説明していく
必要があります。
何も、拒絶理由通知への対応だけにかぎらず、
人を説得したり、人に何かを提案するときは、
その理由を明確に書くことで、
その文章に説得力が生まれるように思います。
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