こんにちは。田村良介です。
最近、高田明さんの「伝えることから始めよう」
(東洋経済新報社)を読んでいます。
「ジャパネットたかた」の高田 前社長、
といった方が分かりやすいかもしれません。
未だ途中ですが、すごく面白いです。
この本を読むと、
高田社長が、年商3億円ほどのカメラ店を、
年商1700億円の通販企業にまで
成長させることができたのも、納得できます。
印象に残っているメッセージとして、
『目の前のことを一生懸命にやっていれば、
自然と次の課題が見えてくる』
『課題ができると、不思議なことに、
それを達成するためのアイデアが生まれてきます』
『できない理由を考えるのではなくて、
どうしたらできるか考えて、
できることはなんでもチャレンジしたんです』
など。
佐世保で、観光写真を販売していたときは、
夜に宴会場で写真撮影をし、深夜に現像し、
朝に旅館まで行き、写真を販売する。
忙しくて、朝に写真が間に合わなければ、
団体の旅行客のフェリーの到着先(大阪、神戸)まで、
パートさんが電車で先回りをする、
といったエピソードが書かれています。
佐世保から大阪まで電車で先回りって、凄くないですか?
まさに、
「どうしたらできるか考えて、できることはなんでもチャレンジ」
の精神ですね。
さて、今日の本題です。
特許庁から届いた拒絶理由通知について、
引用文献の内容が、
特許を受けようとする発明にあまりにも近くて、
対応に困ることがあります。
正直、「特許にするのは難しいかも」と思うこともあります。
ただ、そんな場合でも、あきらめずに、
審査官の主張におかしな点はないか?
何か反論できることはないか?
と必死に考えます。
拒絶理由の内容が厳しくても、
できる限りのことをするわけです。
そうやって、
あきらめずに粘って粘って考えていると、
ふと、審査官に反論できそうなアイデアが
頭の中に、降りてくることがあります。
意見書を提出して、数か月後、
忘れたころに、結果は、やってきます。
そうすると、「この案件はさすがに厳しいだろう」
と思っていたものでも、
意外と、特許査定がだされることがあります。
「え、あれ、特許になったの?」という感じです。
とは言っても、やはり特許にできないこともあるわけですが、
それでも、それはごく一部です。
請求項の範囲をガチガチに狭く限定しなくても、
拒絶理由の内容を的確に把握し、
その発明の本質的な部分を理解し、
そのうえで、必死に考えつくすと、
「これは厳しい」と思われる場合でも、
審査官の判断をくつがえすことができる場合があります。
この仕事をしていると、
ついつい、「これでは特許にならない」などと
すぐに判断をしてしまうことがあるのですが、
このような事例に出会うたびに、
特許にならないと判断するのは、審査官の仕事であり、
特許出願の代理人である弁理士の仕事は、
どうすれば、特許が認められるのかを考えること、
ということを、考えさせられます。
高田社長の「どうしたらできるか考えて」の
精神にならい、
「どうしたら特許にできるかを考える」姿勢を
忘れないようにしたいです。
|◆今日のポイント◆
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☆簡単にあきらめずに、
『どうしたら特許にできるか?』
を考えつくす姿勢をもつ
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