こんにちは。田村良介です。
『読書百遍意おのずから通ず』という諺(ことわざ)があります。
難解な文章でも繰り返し読めば、その意味が自然と分かってくる、
という意味のようです。
子供のころ、伯父から教えてもらったのですが、
今でも覚えています。
実際には100回も読む必要がなくて、
すごく読みにくい文章でも、繰り返し読むことで、
その意味が分かってくることがあります。
一度目に読んで気が付かなかったことが、
二度目、三度目だから気付く、ということもあります。
私もピーター・ドラッカーの著書を初めて読んだとき、
ほとんど、頭の中に入ってきませんでしたが、
そこを踏ん張って、繰り返し読んで、
少しずつ読めるようになってきたことがあります。
さて、この『読書百遍意おのずから通ず』ですが、
特許の仕事でも、活用できます。
明細書も読みにくいものがありますが、
同じところを何度も読むことで、
その意味がわかってきます。
明細書だけでなく、
拒絶理由通知を読むときにも活用できます。
拒絶理由通知は、短い文章でまとめられているため、
審査官からの説明が必要最小限に省略されていて、
その意味がわかりにくかったり、
審査官の意図を誤解しがちです。
審査官の説明がよくわからないとき、
拒絶理由通知への対応策に困ったとき、などに、
拒絶理由の内容を何度も繰り返して読むことで、
「あれ、これどういうことかな?」
「なぜ、わざわざ、こんなことを書いているんだろう?」
「なるほど、そういうことか!」
といったように、気付きが生れます。
こわいのは、審査官の考えていることを
理解しているつもりで、理解できていないこと。
審査官の判断をまちがって理解をしてしまうと、
意見書で主張する内容も、補正の内容も
的外れなものとなる可能性があります。
拒絶理由の内容さえ、正確に把握できれば、
あとは、その対策を考えるだけです。
|◆今日のポイント◆
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☆『読書百遍意おのずから通ず』は、
特許の仕事でも活用できる。
☆拒絶理由の内容を繰り返し読むことで、
審査官の主張を正確に把握できる。
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