特許を通して貴社の事業発展をサポートします

こんにちは。田村良介です。


私が特許事務所を開業する前に勤めていた会社は、
アイデアを非常に大切にする会社でした。


あるアイデアが出てきたとき、
そのアイデアについて『No』と言わない
という文化があったわけです。

とはいっても、実際には、
そのアイデアは実現することが難しい・・・

普通には『No』となってしまうような
アイデアだったりすることもあるわけですが、


では、
「そのアイデアはちょっと」という、
本来は『No』というべきアイデアを、

「どうやったら『Yes』にできるのか」
を必死に考えるという文化のある会社でした。


『No』と言わずに、『Yes』とするために
必死に知恵を絞る必要に迫られるので、

仕事は本当に大変だったのですが、
非常にやりがいがあって、

とても力がつく会社でもありました。



実際に、今でも、その経験が生きているなと思います。


この仕事をしていると、ついつい、

そのアイデアは『新規性がない』、『進歩性がない』
といったように、

審査官と同じ目線で、見てしまうことがあります。


本来であれば、「どうすれば特許になるのか」を
考える立場であるはずなのに、気がつけば、
審査官のように、ふるまってしまうわけです。


つまり、『No』のアイデアに
『No』と言ってしまっているわけです。


どうしても、特許にすることができないものを
『Yes』というのはおかしいですが、

どうすれば『Yes』になるのか?

という視点をもつことが重要です。


発明の掘り起こしなどで、
ご相談をいただくことがありますが、

その際に、新規性や進歩性がないと
思えるようなアイデアであっても、

では、どういうところで工夫をすれば
特許性が出てくるのか

ということをお話するようにしています。



もちろん、ビジネスがありきの特許ですから、
特許ありき、になってしまっては困るので、

そのあたりのバランス感覚は必要だと思います。




◆今日のポイント◆
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 ☆『No』のアイデアであっても、
  『Yes』にするためにはどうするかを考える。


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■当メールマガジンについて

※当メールマガジンは、私個人の特許に対する考え方や
 ノウハウをお伝えするものであり、ご紹介する内容の
 すべてが絶対的に正しいとは、考えておりません。

 予めご了承いただいたうえで、お読みください。

■メールマガジン「役に立つ特許実務者マニュアル」は
 著作権により保護されています。

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こんにちは。田村良介です。


皆さん、「うんこ漢字ドリル」ってご存知でしょうか。

小学生向けの漢字ドリルですが、
今、爆発的に、売れているらしいですね。

何でも、発売後2ヶ月で140万部以上売れているとか。


作者の古屋雄作さんは、もともと「うんこ川柳」で
本を出版されるつもりだったそうです。

それが、「うんこ川柳」では売れない、
ということで、漢字ドリルになったとか。。。


それにしても、

「うんこ」を例文にした「漢字ドリル」
という発想がすごいですよね。


「うんこ」という単語を使った例文をつくるにあたっては、

 ・嫌悪感をなくす、
 ・生々しさを薄める、
 ・ポジティブな例文にする

という工夫をされたそうです。



この「うんこ漢字ドリル」、
実は、発明にも通ずるものがあります。


「うんこ」と「漢字ドリル」という意外な組み合わせ。

その組み合わせを、
ポジティブな例文にするなどの3つの工夫で、

子供が楽しんで学習できるようにしたのが、
「うんこ漢字ドリル」です。


発明も、単に、組み合わせやすい2つのものを
組み合わせただけでは、特許になりません。

ですが、意外なものを2つ組み合わせることで、
特許になる可能性は高まります。

さらに、2つのものを上手く組み合わせるために、
そこに工夫があって、

優れた効果が得られるのであれば、
特許になる可能性は、ぐんと高まります。


言わば、「うんこ漢字ドリル」は、
発明のお手本とも言える存在ではないかと。


それにしても、キーボードで、
こんなにも「うんこ」を入力することは、
もう、この先ないように思います(笑)。


本日は、大変失礼いたしました。。。



◆今日のポイント◆
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 ☆意外なものを2つ組み合わせることで、
  特許になる可能性は高まる。

  2つのものを上手く組み合わせるために、
  そこに工夫があって、

  優れた効果が得られるのであれば、なお善し。  

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こんにちは。田村良介です。


「あの人、名前なんだっけ?」

例えば、家族と話をしていて、
芸能人の方の名前が思い出せないことがあります。

「あの、、凄腕のお医者さんのドラマにでてた人、、、」

みたいな感じです。


そんなに重要なことでもないので、
名前が思い出せなくても、

特に気にしなければいいのですが、
思い出せないままにしておくのが嫌で、

ついつい調べてしまいます。


インターネットのおかげで、ずいぶん便利で、
ちょっと調べれば、すぐにわかります。


別に芸能人だけでなく、
何でもそうみたいです。


でも、実は、この分からないままにしておくのが嫌だ
という性分は、仕事でも活きているように思います。


特許制度なども多くのことは把握していますが、
こまかな運用で知らないことは、たくさんありますし、

審査基準を読んでも「なぜこのような判断をするのだろう?」
ということは、未だにあります。


こういったことを、
できるだけ分かったつもりにならずに、

自分が理解できるまで、突っ込んで考えるようにしています。


一つ一つの知識やノウハウは、
小さなものかもしれませんが、

この積み重ねが、実はすごく大きいのではないかと
思っています。


そうこうしているうちに、この特許の業界にはいって、
15年ほどが経過するのですが、

おかげで、ある程度のことであれば、
それほど時間をかけずに判断できるようになりましたし、

判断の質もずいぶんとあがったのではないかと思います。



特許の実務者として仕事をしていくには、
覚えておくべきこと、
理解しておくべきことが、山ほどあるのですが、


理解していないことを理解していないまま残さず、
理解できるまで粘って考え続けることで、

一つずつ階段をのぼっていけるのではないかと思います。


私もまだまだですので、

これからも、一つ一つの知らないこと、疑問点と
しっかりと向き合っていきたいと思っています。




◆今日のポイント◆
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 ☆理解していないことを、理解していないまま残さず、
  理解できるまで粘って考える。

  一つ一つの小さな積み重ねが大きなものとなる。

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こんにちは。田村良介です。


もう15年も前、この特許の業界に入ったばかりの頃です。

当時勤めていた特許事務所で、上司から、

「所長と話をするときは10秒以内に話をまとめなさい」

と言われていました。


さすがに、発明や拒絶理由通知の内容を説明するのに、
10秒は無理だよ~、と思っていたわけですが、

事前に、図や表を準備するなどして、
できるだけ、分かりやすく、簡潔に説明できるように心がけていました。


それでも、話に要領を得ないところがあると、
雷を落とされていたのですが(笑)。


ただ、若い頃の、
簡潔に分かりやすく物事を伝える訓練は、
今になって非常に役に立っています。


例えば、特許制度を詳しく知らない方に、
特許制度をお伝えするときなど、

大変ありがたいことに、
「分かりやすい説明、ありがとうございます」

なんてことを言っていただくことがあります。

こう言っていただくのは、うれしかったりします。



簡潔に分かりやすく物事を伝えることは、
口頭の説明だけでなく、文章を書くときにも役立ちます。


例えば、拒絶理由通知への対応で、意見書を書くときも、

複雑なことを、できるだけ簡潔に分かりやすく書くことで、
説得力がうまれます。


逆に、たくさんのことを主張しているけど、
何がポイントなのかが分かりづらい文章は、
説得力に欠けます。


そこで、
簡潔に分かりやすく物事を伝えるためのコツは何か?
と考えてみたのですが、

・伝えたいことを、自らが十分に理解していること

・相手に理解してもらうための最低限の情報は何かを
 相手の立場に立って、想像してみること

・どのような話の流れでメッセージを伝えると、
 思考の流れが途切れることがないかを考えてみること

・一度に複数のことを伝えようとしないこと

などなど。


思いつくままに、書いてみましたが、他にもありそうですね。


特に「伝えたいことを十分に理解していること」は、
すごく重要なのではないかと思っています。

理解しているつもりでいても、
いざ伝えようとすると、理解できていないことに気付いたりしますからね。


理解が不十分だと、当然ですが、
言葉足らずになったり、説明が冗長になったりします。


30秒~1分間ほどで、
伝えたいことを伝えきれない場合は、

もう一度、準備にしっかり時間をとってもいいのかもしれませんね。




◆今日のポイント◆
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 ☆簡潔に分かりやすく物事を伝えるためのコツとは?

  ・伝えたいことを、自らが十分に理解していること

  ・相手に理解してもらうための最低限の情報は何かを
   相手の立場に立って、想像してみること

  ・どのような話の流れでメッセージを伝えると、
   思考の流れが途切れることがないかを考えてみること

  ・一度に複数のことを伝えようとしないこと


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こんにちは。田村良介です。


以前、『ビジネスモデル特許』という言葉が、
大手新聞社の紙面によく登場していた時期がありました。


特許庁によれば、2000年にビジネス関連発明の出願件数は急増し、

その後、減少傾向にあり、2014年は約7,000件だったようです。


ビジネスモデル特許という言葉が誤解を生みやすいのですが、

ビジネスモデルそのものは、特許にはなりません。


特許で、保護されるのは「発明」なのですが、
ビジネスモデルは、自然法則を利用したものではなく、

「発明」ではない、と考えられるためです。


例えば、ピザの宅配で30分以内にピザを配達しなければ無料にする、

というビジネスモデルは特許の対象とはなりません。



ですが、そのビジネスモデルをよりよく実行するための
技術的な工夫であれば、特許になり得ます。


例えば、少ない人数で宅配を効率的に行うための
移動経路を検索するソフトウェアを開発すれば、

特許が認められるかもしれません。


このように、ビジネスモデル特許の多くは、
ビジネス分野でソフトウェアを利用したものです。


さて、ソフトウェアの特許ですが、

人が行っている業務をコンピュータが実行するだけでは、

進歩性がないと判断されて、特許が認められません。



では、どうするか? なのですが、

ソフトウェア特許の請求項は、
簡単に言うと、3つの構成からなっています。

 入力、演算、出力


この入力、演算、出力のどこかに工夫があれば、
進歩性が認められやすくなります。


例えば、

「入力」の工夫で、少ない操作で入力できる
「演算」の工夫で、CPUの負荷が小さくなる
「出力」の工夫で、ディスプレイの情報が見やすくなる

などです。


そういった視点でみていただくと、

今まで特許にするのが難しい、と考えていたものでも、

特許になるものが、あるかもしれません。


もちろん、このような技術的な工夫で特許が認められたとしても、

ビジネスモデルそのものは保護できませんが、

それでも、他社に対する優位性は確保できるのではないか
と思います。



◆今日のポイント◆
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 ☆ビジネスモデルそのものは特許で保護できなくても、

  ビジネスモデルをよりよく実行するための工夫で特許を取得できれば、

  他社に対する優位性を確保できる。


 ☆入力、演算、出力の工夫が、特許性を主張するためのポイントになる。


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